所蔵資料

概要

水俣学研究プロジェクトは、学内の理事会で承認後、2005年4月に本学に水俣学研究センター、2005年8月水俣市内に水俣学現地研究センターを設立し本格的に始動しました。日本の代表的な水俣病事件は、世界的にも知られ、その負の遺産を国内のみならず国際的に発信することが求められており、データベース作成事業は水俣学研究プロジェクトのひとつに位置づいています。

水俣学研究センターには、これまでの研究活動の成果として、住民宅に残されていた資料、訴訟資料、漁協関係資料、各分野の研究者が収集した資料、水俣病研究会資料、水俣病原因企業の新日窒労組から寄贈された資料などがあり、データベース化を進め順次HP上で公開しています。資料の公開は、新日窒労組旧蔵資料のみ2009年から水俣学現地研究センターで開始し、他の資料も公開に向け整理、目録化を進めています。

広範な学問領域にわたる水俣病関係研究文献の網羅的なデータベース化を行い、公害史・水俣病事件史をはじめとして今後の国内外の研究に寄与することを目指しています。
本データベースおよび資料閲覧にあたっては、データベースについて資料室利用案内 をご一読ください。

公開所蔵資料

新日本窒素労働組合旧蔵資料

水俣病の原因企業であるチッソ株式会社の労働組合である新日本窒素労働組合は、会社と対立する形で水俣病患者の支援運動に乗り出した日本の労働運動史上に特筆されるべき活動を行った組合です。この組合の資料は2005年4月に寄贈され、整理作業を元組合員とともに行いました。現在、資料は水俣学現地研究センター1階の書架に架蔵し公開しています。写真資料は、撮影場所、撮影日、誰が写っているかなどカードに記載し、目録およびPDF化をすすめています。
このデータベースは、これらの資料目録をデータベース化したものです。2009年11月よりHP上で資料目録を公開し、2012年3月から写真資料と物品資料を追加、さらに「映像でみる新日窒労組の歴史」を公開しました。「映像でみる新日窒労組の歴史」は組合の歴史を6つの時代に分け、時代ごとに並べられたアイコンをクリックすると、関連する写真や説明が閲覧できるようになっています。さらに、新日窒労組8ミリグループが撮りためた映像資料も順次、短編で編集し音声と共にご覧いただけます。
資料点数は次の通りです。

文献資料 6225点、写真資料 63600点(概数)、物品資料 533点

新日本窒素労働組合旧蔵資料

水俣病研究会蒐集資料

水俣病研究会は、チッソに対する訴訟で原告弁護団を支援する目的で結成され、訴えの論拠と裏付けを提示する作業に携わったのち、水俣病事件史を見通すことのできる資料集として『水俣病事件資料集』の編さん・刊行にあたり、現在も資料集の続刊の作業を進めている研究会です。この研究会の資料は、本学の7号館水俣学研究センター資料室の書架に架蔵されています。資料集続刊の作業中のため資料は公開しておりませんが、HPのデータベース上に2013年8月から資料目録と資料画像(マスキング加工済)100点を公開しました。
資料点数は次の通りです。

文献資料 20340点

水俣病研究会蒐集資料

宮澤信雄旧蔵資料

宮澤信雄氏(1935-2012)は、元NHKアナウンサー、元水俣学研究センター客員研究員。1968年熊本赴任以来、水俣病の取材を開始。さらに、水俣病を告発する会、水俣病研究会のメンバーとして水俣病事件史の研究を続けるとともに、水俣病患者の訴訟や運動を最後まで支援されました。宮澤氏の資料は、本学の7号館水俣学研究センター資料室の書架に架蔵されています。資料目録はHPのデータベース上に2013年12月から公開しております。資料は、事前に資料閲覧申込書を提出していただければご覧いただけます。
資料点数は次の通りです。

文献資料 962点

宮澤信雄旧蔵資料

最首悟旧蔵資料

最首悟氏は、1967年東京大学教養学部助手、2003〜2007年まで和光大学人間関係学部教授。1976年12月に第一次不知火海総合学術調査団に参加され、1981年から第二次調査団長を務められました。不知火海沿岸漁民の日誌などの一次資料を手がかりに漁法の変遷、漁民像を瑞々しく描かれました。最首氏の資料は、本学の7号館水俣学研究センター資料室の書架に架蔵されています。資料目録はHPのデータベース上に2013年12月から公開しております。資料は、事前に資料閲覧申込書を提出していただければご覧いただけます。
資料点数は次の通りです。

文献資料 318点

最首悟旧蔵資料

浜元二徳旧蔵資料

浜元二徳氏(1936−)は、水俣市の漁師で水俣病認定患者。1969年、水俣病第一次訴訟に加わる。ストックホルムで開かれた第1回国連環境会議やカナダ先住民水俣病被害地を訪問するなど国際的な活動にも積極的に取り組んでこられた。水俣病の経験を踏まえて語り部として活動されています。浜元さんの話は『出月私記:浜元二徳語り』(最首悟編、新曜社、1989年)に収録されています。資料は、本学の7号館水俣学研究センター資料室に架蔵されています。資料目録は、HPのデータベース上に2015年1月から公開しております。資料は、事前に資料閲覧申込書を提出していただければご覧いただけます。
資料点数は次の通りです。

文献資料 133点、物品資料 20点

浜本二徳旧蔵資料

現在、目録化を進めている資料

  1. 原田正純旧蔵資料
  2. 松本勉旧蔵資料
  3. 水俣病関西訴訟関係資料、福田弁護士資料
  4. 名古屋水俣病を告発する会資料
  5. 土肥秀一元本学教授資料
  6. 水俣・芦北教職員組合資料