患者証言

国は1956年5月1日の水俣市保健所の届出から12年後に水俣病を「公害」と認定しました。それから半世紀以上が過ぎ、第一次訴訟を経験した患者さんも高齢となっているなか、将来、歴史の証人が存在しない危機的状況が到来することになります。それだけでなく、これまでのテレビやドキュメンタリー作品が繰り返し急性劇症型水俣病患者の映像を用いてきたことから、それのみが水俣病であるかのような記憶を人びとに植え付けています。そのため、外見だけでは症状が分かりにくい慢性水俣病の患者さんの被害の実態との間に距離が生まれ「ニセ患者」発言が今なお続いています。そのようななか国は、1995年から「最終解決」を目的に幾度も期限付きの各種救済手帳の申請を呼びかける施策を行い、安部晋三首相が水銀条約の国際会議開催メッセージで「水銀による被害とその『克服』を経た我々」と発言したように「終わった」印象を国際社会に発信しつづけています。
「患者証言」は、認定された方、されていない方に関わらず、不知火海沿岸に住む方々の「語り」を通して水俣病患者の息遣い、被害の実相を発信しつづけるために公開しました。

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