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2022年4月1日より現地研究センターに中地が就任しました

水俣学現地研究センター長に就任して

水俣学現地研究センター長(熊本学園大学社会福祉学部) 中地 重晴

はじめに
4月1日から、水俣学現地研究センター長が交代しました。宮北先生に代わり、中地が新センター長に就任しましたので、一言、ご挨拶と今後の抱負を述べたいと思います。
水俣学研究センターが2005年に発足し、17年目に入り、運営委員を含め、新旧交代期に入っています。
水俣病公式確認から66年目を迎えますが、水俣病をめぐる諸問題は解決していません。水俣病患者への補償という点では、胎児性訴訟あるいは第二世代訴訟と呼ばれる1950年代以降に生まれた患者たちの認定義務付け訴訟は3月30日に訴えを退ける判決が出されました。今なお、多くの人が認定や補償を求めて訴訟や認定申請を行っています。背景には、被害を受けた人たちを対象とした健康調査が実施されておらず、被害の全容が明らかにされていない点であると考えます。水俣学研究センターには、患者に寄り添いながら、被害の全容を把握することが求められています。
また、エコパーク(水俣湾埋立地)やチッソの産廃最終処分場である八幡残渣プールを水銀に関する水俣条約の汚染サイトとして、管理するということも行われていません。こうした水俣病の負の遺産を次の世代にどう引き継ぐのかが問われています。
どのように教訓を伝えるのかが問われています。資料のアーカイブ化、デジタル化した資料保存は引き続き、継続していきたいと思います。
水俣学は専門家と市民の壁を超えて、協同する学問であり、狭い専門分野の壁を超える学際的な学問、国境の壁を超えて、世界に広がる水銀被害に立ち向かう学問であることを再確認し、水俣市民とともに、水俣学を実践していきますので、ご協力のほどよろしくお願いします。

 

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