チッソ労働運動史研究会

第25回チッソ労働運動史研究会を開催いたしました。

第25回チッソ労働運動史研究会を2013年3月28日(金)熊本学園大学水俣学現地研究センターで開催いたしました。今回は、2014年5月に社会政策学会での報告を前にこの研究会で報告し、新日本窒素労働組合からのご意見を頂き、社会政策学会での報告へ反映させることを目的としました。
九州大学の磯谷明徳先生からは、「戦後日本の工業の変容、チッソと労働組合」と題して、1950年代・60年代半ばの日本経済という「マクロ」的視点とその中での日本の化学工業の変容という産業論・産業詩的視点から、チッソ水俣工場での企業と労働組合との関係を取り上げ、経営側の対応から1962年の安定賃金争議への背景を報告がありました。
法政大学大原社会問題研究所の鈴木玲先生からは、「新日本窒素労働組合と水俣病患者団体・支援団体との連携関係の形成と展開」と題し、労使関係制度と労働組合と社会運動組織との連携から、新日本窒素労働組合が企業組合の枠組みを超え、水俣病患者を支援し、支援団体との連携に至ることになり、継続することが可能であったかの報告がありました。
佐賀大学の富田義典先生からは、「労使関係史における安賃闘争の位置」と題し、チッソの労使関係から日本の労使関係を見ることであらたな日本の労使関係像の構築のプロセスの報告がありました。
平日にもかかわらず、新日本窒素労働組合員の方々や立命館大学の研究者など17名の参加があり、多様な意見と議論を交わすことができました。貴重なご意見、ありがとうございました。

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