公開講座

第14期公開講座「払っているだけの介護保険?はじめの一歩」を開催いたしました。

2000年から施行された介護保険は、3年ごとに見直しがされ、制度が変わっています。水俣市では本年度から介護保険改正に伴う総合支援事業が開始されていますが、その内容は、どれだけ理解されているでしょうか。水俣市の高齢化率は34.83%、15歳から64歳までの生産年齢人口の構成比は53.48%(2015年4月現在)で、団塊世代が75歳以上となる2025年以降は医療や介護のさらなる需要増加が見込まれています。さらに水俣市では、水俣病公式確認から61年を迎え、患者の平均年齢が77.7歳(NHK2017年5月1日報道)となった今年、水俣病患者の抱える介護および地域福祉の課題も具体的に検討していかなければなりません。介護保険制度を改めて学び、介護保険制度をより身近にとらえていただけるように考え開催しました。
熊本学園大学社会福祉学部の松本教授からは、ドイツや他の国との比較から制度の成り立ちと違いを学び、介護が措置から契約への意味をお話しいただいた。熊本市内で介護の実践をされている那須氏からは、自治体が中心となって介護予防に取り組む事例を専門職のかかわりとともに紹介していただいた。水俣市社会福祉協議会の秋山さんからは、水俣市の高齢率、介護の状況、問題点など丁寧にお話しいただき、現状を理解することができた。熊本学園大学社会福祉学部黒木淳教授からは、認知症の人を家族だけでなく地域で支える事例を紹介していただき、今後の展望を議論した。最後に熊本学園大学社会福祉学部下地教授から、ケアの場が持つ意味、人々のかかわりについて講義していただいた。
今回は、一般市民の方と水俣市の介護や医療の現職の方に多く参加いただいた。現場で抱える悩みなどの質問もあり、活発な議論が毎回なされ、アンケートにも深く学べたとご意見をいただくことができました。今回の公開講座は、延べ165人の方が受講、13人の方が全5回を受講され、修了証を発行しました。
来年度も開催いたしますので、ご希望などございましたら、HPの「お問い合わせ」をご利用の上、ご連絡ください。

  • 開催スケジュール一覧へ
  • 研究・活動報告一覧へ